JOC新会長に山下泰裕氏 政府依存は続くのか、そして力量は
■必要なのは有能な参謀
山下会長は人当たりが良く、物腰は柔らかい。今後、「日本スポーツ界の顔」として世界を渡り歩くだけの力量はあるのか。それが2点目の懸念材料だ。
「山下さんは世界的にも有名で顔も知られている。全柔連会長との兼務は『日本の体育の父』といわれる嘉納治五郎氏以来。兼任することへの懸念がよく叫ばれますが、それは短絡的な考え。その点は心配ないでしょう。彼はJOCが日本体育協会(現日本スポーツ協会)から脱退するきっかけとなった1980年モスクワ五輪のボイコット事件ではスポーツの政治介入による被害者でもある。そういうドラマというか、ストーリー性はたくさんあるわけです。悪い印象もなく、すごくいい人材。山下新会長が能力を発揮するには、自分を支えてくれる有能な参謀が必要です」(前出の春日氏)
挨拶の冒頭で「私は自分の力量や見識の程度を把握している」と話した山下新会長。優秀なブレーン探しが最初の仕事になりそうだ。