サッカー取材で“世界一周”…でも始まりは大失敗の連続から
電車とバスを乗り継いでの移動だったのだが、ここでもまた人生初のハプニングが勃発する。
今回初めてLCC(ローコストキャリア)ならぬLCB(ローコストバス)を利用。チケットはネット経由で事前購入していた。
昨今、欧州では生活の脚として市民権を確立していると聞いてはいたものの、そんなに当てにはしていない自分がいた。しかし“想定外”にもバスは定刻に出発。順調に進み、ヴァランシエンヌの高速インター出口を下りていく。そして最初にバスが停車したのは、ポリテクニック・オー=ド=フランス大学の敷地内だった。
次は市街地に停まるのだろうと勝手に理解していたが、バスは高速道路に戻り、パリ方面に走り出したではないか。そのいただけない状況に事の重大さを察知してドライバーに事情を伝えると、彼はバスを路肩に緊急停車するではないか!
彼曰く、ヴァランシエンヌでは大学が唯一の停留所であって市街地には停まらないのだと。
既に高速道路へ入ってしまったバスが、逆行して戻ることは出来まい。その後の絵図は、ご想像の通り。人生で初めて高速道路を”逆歩”することになる。昼間で明るかったとは言え、スピードを上げて向かってくる対向車に脅威を感じたものだが、今こうやって原稿を執筆してるーー。
生きている。ただ高速道路を歩くのは、今回で最後にしたいと自らを戒めた。
それにしても、出会いやハプニングは旅には付きモノだとは理解しているが、連日起きる大小のアクシデントに先行き不安が煽られたことは言うまでもなかった。=つづく