伊調敗北は“忖度判定”か…代表決定戦で新たな火種が表面化
ネット上では、「明らかに不可解だ」「いや、判定は正しい」「審判が協会に忖度したのではないか」と侃々諤々の論争になっている。
6日のレスリング世界選手権代表決定プレーオフ。五輪4連覇中の伊調馨(35=ALSOK)が2016年リオ五輪63キロ級王者の川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)に敗れた女子57キロ級の一戦は、確かに微妙な判定が勝敗を分けた。
ポイントは3―3。内容差で惜敗した伊調は、「自分が弱かった、とは言いたくない。梨紗子が強かった。悔しいけど、悔いはない」と潔かったが、収まらないのは伊調陣営だ。試合後、田南部力コーチは取り囲んだ一部メディアに対し、「伊調のポイントになるべきところをなかなかポイントにしてくれない。ひどすぎる。伊調本人も試合中に心が折れた」と審判への不満を口にして、怒りを爆発。「今回はジャパンビバレッジ(有利の)判定がひどかった。いろんな力が働いていたのではないか」とまで口にし、審判批判を繰り返したという。
「金メダリスト同士の激突ですから、当然、試合は拮抗する。ハイレベルな攻防が繰り返され、どちらにとっても微妙な判定があったのは確か。伊調陣営に言わせれば、グラウンド技を仕掛けにいった途端に膠着状態と判断したレフェリーにブレークされたという不満が募った。現に、試合中に田南部コーチがマットへ上がり、審判に暴言を吐いたとして退場処分になっている。試合後、田南部コーチが川井の所属先であるジャパンビバレッジを名指しして、不可解判定を問題視したのは、日本レスリング協会の福田富昭会長と関係の深い企業だからでしょう。福田会長はジャパンビバレッジの前身であるユニマットの社長を務めていましたからね。つまり、不可解判定の裏に協会への忖度があると言いたかったのでしょう」(アマチュアスポーツ担当記者)