伊調敗北は“忖度判定”か…代表決定戦で新たな火種が表面化
伊調に対するパワハラが告発された18年2月以降、五輪4連覇の絶対女王はレスリング界から総スカン状態になったのは確かだ。騒動の最中、母校・至学館大学の谷岡郁子学長は前人未到の五輪5連覇を目指す伊調に対し、「そもそも選手なんですか? 彼女は東京五輪を目指しているのですか?」と冷たく言い放った。日本レスリング協会副会長でもある谷岡学長の言葉には、斯界を混乱に陥れた伊調側に対する協会の怒りがまざまざと表れていた。パワハラ告発で失脚した元至学館大レスリング部監督で日本協会強化本部長でもあった栄和人氏を中心に、伊調と田南部コーチの「親密関係」を盛んにメディアにリークし、騒動の矛先を変えようと必死になる連中もいた。
昨夏に2年ぶりに復帰してからも、決して事態が好転したわけではなかった。パワハラが認定されたレスリング協会が謝罪し、伊調の復帰を「全面的に支援する」と約束しながら、今年3月の週刊文春には「伊調馨イジメが終わらない」と題した記事が載り、伊調の姉で04年アテネ、08年北京五輪48キロ級銀メダリストの千春氏や、ジュニア時代の恩師で青森県レスリング協会会長の沢内和興氏が「伊調イジメが続いている」と“告発”しているのだ。