虎指揮官が固執 リーグ最多失策でも“4番大山”で共倒れ危機
84試合を消化して球宴休みに入っていた阪神。DeNAと並んで2位タイにいるが、問題は打線だ。3連敗を喫した8日からの巨人戦も、ここぞという時に適時打が出なかった。一発で劣勢ムードを変えられる本塁打も期待できない。そんなチームの4番に座っているのが、3年目の大山だ。
ある阪神OBが言う。「甲子園は左打者に不利な浜風が吹く。矢野監督が右の大砲を育てたいのはわかる。大山はスタンドに運ぶ力はあっても、4番のヘッドスピードではない。バットは遠回りする、いわゆるドアスイングで甘いコースしか長打にできない。星野、岡田監督時代に活躍(2003年首位打者、05年29本塁打)した今岡(真訪=現ロッテコーチ)のように、肘を畳んで内角をさばけない。穴が多く、メンタルも強くない。広島時代に本塁打王(05年)になった新井(貴浩)でさえ、阪神では4番の重圧に苦しんだ。器ではない4番ではなく、6番ぐらいで伸び伸び打たせた方が数字を残すはずです」
さらにこのOBは続ける。
「大山は昨季、117試合(347打数)で11本、48打点。今季は10本、50打点だが、高卒2年目のヤクルト村上は、今季すでに20本、63打点。村上はリーグワースト2位の失策数(12)でも、これだけ打てば首脳陣も使わざるを得ない。大山は大卒3年目のドライチ。リーグ最多失策(15)は情けない。それでもバットで返せばいいが、物足りない数字なら、チームはやがてぎくしゃくする。新井貴が打てなかった時も、投手陣から不満の声がずいぶん出ていたからね。阪神にとって『4番・大山』の育成は、リスクがある」
矢野監督は大山と心中する気か……。