東京五輪陸上「日本は世界の笑いモノに」元陸連幹部が警鐘
■「5月中旬でも無理」
陸連だってテスト大会が重要なことはわかっている。
「プレ大会は行います。日程は9月以降の理事会で決定し、発表します」(前出の風間事務局長)というのだが、陸上関係者の間では、「開会式まで1カ月もあるなら、新国立で日本選手権を開催しても準備時間はあるのではないか」との声が今もある。
そこで組織委員会に次のような質問をぶつけたところ、戦略広報課から回答があった。
①組織委員会が6月末に新国立で陸上の日本選手権の開催を認めなかった理由は。
「オリンピック・パラリンピック大会に向けた準備(競技運営および開会式計画)が佳境であるため」
②開会式の1カ月前に大会で使用させることは本当に無理なのか。
「物理的に無理だと考えている。2カ月前でも厳しい」
③新国立で行う競技運営の準備についてはどのようにお考えか。
「5月のテストイベント実施を踏まえて、運営上の課題整理を行い大会本番の計画につなげる」
当初は今年9月20日開幕のラグビーW杯に間に合わせるはずが、競技場のデザイン変更などが原因で完成が遅れた。そのツケでラグビーW杯で新国立が使えなくなっただけでなく、運営に関する認識不足により、五輪陸上競技のドタバタ劇を世界中が目にすることになりそうだ。