バルサ戦よりシティ戦を選んだのは名将ペップがいたから
何も声をかけられなかった
試合終了後、公式会見を済ませて控室に戻るペップと鉢合わせた。ほんの1メートルほどの距離。いわば“マンマーク状態”で一緒に階段を降りたのだが、何も声を掛けられなかった。
この仕事をしていると、フットボールアイドルと会話できる機会も多い。そして、彼らを前にしても冷静で居られるようにもなるものだ。しかし、この時ばかりは違った。
仮にマン・オブ・ザ・マッチを勝ち取ったFWスターリングと通路ですれ違ったとしても、気軽に話し掛けられていただろう。ベルギー代表MFデ・ブライネしかり。ロシアW杯でロストフでやられた<悪夢の14秒>の仕返しをウィットをかませながらやった自信だってある。
しかし、ペップには無理だった。躊躇してしまったことで<世界で戦えない己の弱さ>を感じたのと同時に、彼をキッチリと受け止め上手くこなせる(コーチの)アルテタの凄味を思い知った瞬間でもあった。
新シーズンの幕開けを告げるコミュニティ・シールドは8月4日に迫っている。ペップを身近で感じられたことで、欧州シーズンを観る楽しみがまたひとつ増えた。