有明アリーナはコンサート利用で収入予測12億4500万円
有明アリーナ
今回計6カ所の五輪施設を検証するが、その中で唯一、維持管理費で黒字を見込んでいるのが有明アリーナだ。立地はゆりかもめの新豊洲駅もしくは有明テニスの森駅から10分ほどで、利便性も悪くない。
●将来性=25点
五輪後に年間3億6000万円弱の収益を見込む。強気の根拠は、12億4500万円に上る収入予測であり、その主な施設利用は年間100万人を見込むコンサート・ライブの開催だ。確かに5000人以上、1万人規模のホールは首都圏で不足しており、公演関係者に重宝されるに違いない。少子高齢化や各地にホール施設が林立してくる中で、「日本武道館」のように評価と個性が際立ち、長い目で見て、もくろみ通りの競争力を維持し続けることができるかどうかが重要だ。
●デザイン=18点
建物は東雲運河に面し、北と東に堀を従えた城郭のごとき姿をしているのが特徴だ。
アリーナ天井の球面構造を反映した建物のスカイラインは、やわらかい曲線を描き、グレーの石積みを意識した外壁デザインは落ち着いた表情だが、無骨過ぎ、せっかくの水に面した立地を生かせていない。アプローチをはじめ、導入路に祝祭性が欠けているのも残念。