2敗が5人で混沌…秋場所を制する力士候補と賜杯に近いのは
では、3人の中では誰が優勝に近いのか。
「朝乃山でしょう。今場所は左四つの正統派の四つ相撲で、鶴竜と豪栄道を下している。夏場所(5月)を制したことで、四つ相撲ならだれにも負けない自信がついたように見える。9日目の阿炎戦では相手に背中を向けながらも神がかり的な勝利と、ツキもある。場所前は蜂窩織炎で満足に稽古ができなかったが、巡業では順調でしたからね」(前出の親方)
次点は貴景勝か、それとも御嶽海か。別の親方が引き取る。
「貴景勝が万全なら優勝候補筆頭と言いたいが、なにせ休場明け。今場所は大関復帰に必要な2ケタ勝利をクリアしたら、それ以上は無理をしないのでは。あまり欲を出せば、さらなるケガにもつながりかねない。本人は靱帯を痛めた右ヒザを『1ミリも痛くない』と話しているそうだが、強がり半分でしょう。今場所は押しで攻め切れなかった時の対処や、押し込まれて右ヒザで踏ん張るという場面がまだありませんから。御嶽海はポカが多いのが難点。直接対決で5勝9敗、直近は2連敗中と相性の悪い豪栄道戦が残っているのも、気になるところです」
近年、モンゴル人横綱以外で2度以上優勝した力士は2017年1、3月場所で勝った稀勢の里(現荒磯親方)のみ。それ以前となると、10年以上前の栃東(現玉ノ井親方)までさかのぼる。