W杯特需に期待せざるを得ない日本ラグビー界のお寒い事情
トップリーグの窓口でもあるラグビー協会広報部に「チケットの問い合わせなど、W杯の影響はあるか」と問い合わせると、以下のような答えが返ってきた。
「トップリーグや大学選手権に関する問い合わせは少なからずありますが、目立ってということは……。いま、行われているW杯に関する質問が多いですね。基本的に、現在日本が勝ち進んでいるから注目していただける、ということもあるでしょう。W杯が終わったあとにどうするのか、お客さまにどれだけ現場に足を運んでいただけるのか。我々も検討し、やっていきます」
日本ラグビー協会の清宮克幸副会長は今年7月、21年秋をメドに、トップリーグとは別のプロリーグを発足させる構想があると発表。W杯開催地の国内12都市を本拠地とした、地域密着型のリーグをつくるという。
あるラグビー関係者は「そうせざるを得ない事情があるんです」と、こう続ける。
「実はトップリーグに加盟している企業のいくつかが、『今シーズンを最後にトップリーグから脱退する』意向を持っている。観客動員が伸び悩んでいることもあって、いまや企業側の赤字は20億円近い。ただ、撤退されると更なるラグビーの衰退につながりかねない。だからこそ、新しい道を示して企業に残ってもらうしかない。協会としてはプロ化以外に生き残る道はない、ということです。企業側も『プロ化なら続けてもいい』という反応です」