W杯特需に期待せざるを得ない日本ラグビー界のお寒い事情
当然、部員の減少も顕著になっている。03年に約3万400人だった高校ラグビー部員は、昨年度は約2万1700人。少子化とともに、ラグビー人口も右肩下がりなのだ。
朝日新聞が10月8日付の夕刊で報じた記事によれば、全国高校大会の予選で、複数校による「合同チーム」での参加が近年増えているという。単一校では人数不足で試合に出場できないラグビー部員救済のため、00年から導入された制度だ。記事によれば、00年は全国で13だった合同チームは、昨年度は87チームに増加。予選出場チームの12%が、複数校による合同チームになっている。
このままでは日本ラグビーは衰退するばかり……。だからこそ、自国開催のW杯を起爆剤にしたいと考えている関係者は多い。
■プロ化は苦肉の策
来年1月には社会人ラグビーのトップリーグ2020シーズンが始まる。03―04年シーズンから発足したトップリーグも、人気を博しているとは言い難い。W杯イングランド大会直後の15―16年は歴代最多の49万1715人の観客を動員したが、昨シーズンは45万8597人。目標である50万人には届かなかった。