W杯特需に期待せざるを得ない日本ラグビー界のお寒い事情
■民放は様子見
仮にプロリーグを発足させたとして、どれだけ注目されるか、という問題もある。トップリーグは有料のCS放送「J SPORTS」で全試合中継されている。多くの人に興味を持ってもらい、競技の裾野を広げるという意味では民放やNHKにはかなわない。
元NHKスポーツプロデューサーの杉山茂氏は「地上波で放送されるかどうかは、正直難しい」と、こう続ける。
「今回のW杯の放映権を得た日本テレビを、民放各局が羨ましがっているのは事実。日本テレビも先日の定例会見で、小杉社長が日本代表のユニホームを着て出てきたくらいですからね。ただ、今後の国内リーグについては、当面はどの局も動かないのではないか。様子見? いや、それよりもっと慎重にうかがっていると思います。私見も入りますが、ラグビーファンは大人が多い。若者があまり騒がないので、大衆性がないと言ってもいいでしょう。仮にW杯で興味を持った人が国内リーグを観戦しても、体格やスピードなど何から何まで違いますからね。『あれ?』と思い、興味を失う可能性もある」