ウッズが歴代最多タイの偉業 ZOZO来日でいくら稼いだのか
【ZOZOチャンピオンシップ】
日本で初開催の米ツアーとなった今大会で、タイガー・ウッズ(43)が歴史的Vを成し遂げた。
前日、日没により7ホールを残して首位をキープ。28日7時半に再開された最終日はスタートの12番でいきなりボギーをたたいたものの、14番のパー5でバーディーを奪い返すなど、2バーディー1ボギーの通算19アンダーで優勝。18番のバーディーパットを決めた瞬間、右手を上げギャラリーの声援に応えた。初日から首位を守る完全Vは、米ツアー通算82勝目。サム・スニード(故人)が1936年から65年にかけてマークした米ツアー最多勝利記録に並ぶ歴史的勝利になった。
■省エネスイングで正確性が向上
ギャラリーが会場に入れたのは木曜日(1万8536人)と日曜日(2万2678人)だけ。だが、たった2日間だけでトータル4万1214人になり、今季ツアー最多だった中日クラウンズ(4日間2万8060人)を大きく上回った。
それも初日から首位独走のウッズのプレーをひと目見たいと全国からファンが集まったからだ。
今年は4月のマスターズで11年ぶりにメジャー優勝を遂げ、世界中に「復活V」を印象付けた。その後は鳴かず飛ばずだったが、13年ぶりの来日となった今大会は、フェアウエーキープ率こそ65.38%(ランク7位タイ)だったものの、平均パット数1.618、バーディー数27はともにランク1位。安定感が光った。
「今週はスイングに力みが消えていた」とトッププロのスイング解析に詳しく、会場でウッズを見た小暮博則プロがこう解説する。
「テークバックでは骨盤を右上に移動させるヒップスライドを取り入れて腰をねじるよりも負担軽減に役立っている。右腰を後ろに回すのではなく、上に切り上げる動きです。トップからインパクトにかけては、左ひざがターゲットに流れる大きな動きがなくなり、ひざへの負担も少ない。より省エネスイングになり、パワーを補うスイングの正確性が高くなった。軸がぶれず、疲れにくいシンプルなスイングになっています」
ウッズが20代、30代の全盛期には、ダウンからインパクトにかけて、左サイドの突き上げが激しく、力ずくでボールを飛ばしていた。だから腰やひざに大きな負担をかけて何度も手術をすることになった。それが体にやさしいスイングを手に入れたことで、43歳になっても初日から首位キープの原動力になっている。