鈴木愛は3週連続Vでも 残り2戦は賞金女王へ“高いハードル”
【伊藤園レディス】最終日
3位発進の鈴木愛(25)が12年ぶり2人目の3週連続優勝を逆転で決め今季7勝目。賞金レースでも申ジエ(31)を抜いてトップに躍り出た。
「最終18番パー4の2打目はピンに向かってアドレスしており、残り183ヤードをピン左2・5メートルにつけて勝利を決めるバーディーを奪ったのがすごい」と田原紘プロがこう解説する。
「ピンの左サイドはスペースが狭く、そばに池が迫っている。今までの鈴木ならグリーンセンターから持ち球のフックで攻めただろう。ミスショットならスピンがかからずに転がって池に入っていた。ところがアドレスは完全にピンを向いており、左手の使い方はフックしない打ち方だった。グリーンに落ちてからボールが右に跳ねていることでそれがわかる。勝負のかかった大詰めで、これまでの球筋とは違う、フックしない攻め方を見せて、ショットのバリエーションが増えた。3戦連勝への精神的な強さも光った」
通算16勝目の鈴木は春先には強いが、ツアー終盤に勝ち星を挙げたことがなかった。9月開催の日本女子プロで2勝しているが、10月以降は未勝利。これまで何度もケガに悩まされ、スタミナが秋口まで持続しなかったからだ。今季は左手親指と手首を痛めて9月から10月にかけて4大会連続で欠場した。その間にスタミナを温存したのも大きい。