著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トランプ弾劾案可決に胸をなでおろす大リーグ経営者たち

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 これに加えて興味深いのは、12月12日に行われた英国の総選挙でボリス・ジョンソンの率いる保守党が過半数を占める議席を獲得して勝利したことだ。

 なぜなら英国のEUからの離脱を巡る16年の国民投票は「有権者の怒り」「グローバリゼーション」「移民」「誇りの喪失」「ポピュリズム」の高まりを示し、結果的にトランプに有利な状況をつくったからだ。

 従って、今回の英国の総選挙と米国下院の弾劾訴追案の可決は、トランプに「米国第一主義」を唱えれば大統領選挙に勝てるという確信を与えたと言えよう。

■民主党は高額所得者への課税強化

 一方、球界関係者も一連の展開は織り込み済みではあったものの、大統領選でのトランプの勝利の可能性が高まることは好ましいことだ。

 現在、民主党では大統領選の有力候補がトランプ政権との争点を際立たせるために高額所得者への課税や大企業への規制の強化を訴えている。

 米国でも屈指の資産家たちが球団を所有している大リーグにとっては民主党政権が誕生し、公約が実現されれば、事業の成長の鈍化や停滞は不可避であり、優良資産である球団も売却せざるを得ない。それだけに、見た目の話題性のある「トランプ弾劾」は、球団経営者たちに一種の安心感をもたらしているのだ。

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