新たにメジャー入り日本人3人を金満球団がスルーした理由
■年俸の高い選手から売れていく
「今回のFA市場は先発と外野が豊作だった。カネがあってプレーオフを狙うチームは、メジャーでもトップクラスの選手と早々と契約した。コール(29=アストロズからFA)に年平均40億円近い投資をしたヤンキースが典型です。カネも実力もある球団は、年俸の高額な選手から手に入れていくだけに、日本で飛び抜けた実績を残したわけでない彼らに目を向けるのは、どうしたって後回しになる」(ア・リーグ西海岸のスカウト)
要は実力の問題。3人はトップクラスの選手を取り損なった球団の“落ち穂拾い”の対象だったというのだが、「日本人選手の考え方も大きい」と、別のメジャースカウトが引き取ってこう続ける。
「最近の日本人選手は、カネやチームの強さより何より、出場機会を優先している。試合に出てナンボと考えているのです。DHのないナ・リーグを選択肢から外した大谷翔平(現エンゼルス)、再建中のマリナーズを選んだ菊池雄星、今回でいえば筒香がそう。獲得に興味があったといわれるドジャースは、外野どころか、選手層自体がとんでもなく厚いし、とてもじゃないがメジャー実績のない筒香にレギュラーを保証するはずがない。代理人を通じて選手の希望を把握しているだけに、最初から本気で札束を積む気はないのです。あくまで控えに回る可能性は高いが、それでよければというスタンス。最初からレギュラーとして期待する球団ならともかく、資金力のある球団といえども控え選手に高額な年俸を弾むわけにはいきませんから」
秋山、筒香、山口が強豪の金満球団に敬遠されたのは、それなりの理由があるというのだ。