東京五輪に関心薄く 米トッププロ相次ぎキャンセルの動き
10年近く前の話になるが、ゴルフを五輪競技にしようと関連団体が活動した際、「すでに米国を代表して戦うライダーカップやプレジデンツカップがある。五輪にゴルフは必要がない」と否定していた。それに、無償で名誉だけをかけて戦うライダーカップでも、主催者にアピアランスフィを要求し、出場者1人に数百万円の支払いを実現させたのもウッズだった。
■賞金は出ないが経費はかかる
プロは稼いでなんぼの世界。五輪も賞金が出ない。メダルを取れば、スポンサーからボーナスをもらえるが、プライベートジェットで移動するトッププロにすれば、選手村は利用しない。家族や専属キャディー、トレーナーら大人数を引き連れての来日には経費もかかる。
米トッププロにとって、7月19日まで全英オープンに参戦してから日本に向かい、同30日開幕(8月2日まで)の五輪ゴルフ競技に備えなければならないタイトな日程になる。
そして五輪直後の8月13日からは3週連続のプレーオフに突入と慌ただしいのだ。プレーオフは1勝すれば2億円前後の賞金を獲得できる。さらにフェデックス年間王者なら1500万ドル(約16億円)のボーナスが手に入る。メジャーを重視して年間スケジュールを組み立てるトッププロにとって、無償の東京五輪を取るか、約16億円のフェデックス王者を取るのか、の判断もあるわけだ。