実業団連合は払い損…ナイキ厚底旋風で“1億円効果”に疑問符
世界との差は広がっているのではないか。
米スポーツ用品大手のナイキは5日(日本時間6日)、マラソン、駅伝で好記録を立て続けに出している厚底シューズの新モデル「エアズームアルファフライネクスト%」を29日から販売すると発表した。
この新製品は、反発力を生む炭素繊維のプレートが1枚入っていて底の厚さは3・95センチ。世界陸連の新規則(底の厚さ40ミリ以下等)に適合しているので東京五輪で履いても問題ない。
発売翌日に行われる東京マラソンでは、多くの選手がこのシューズでスタートラインに立つとみられている。そこで大迫傑(28)の持つ日本記録(2時間5分50秒)を上回れば、褒賞金1億円と五輪代表の座が得られるわけだが、1億円ボーナスの「効果」についてはある疑問が生じる。
マラソンの日本記録を更新した者に1億円の褒賞金を出すのは日本実業団陸上競技連合(以下・実業団連合)と共同運用のアールビーズスポーツ財団だ。実業団連合の公式サイトを見ると、この褒賞制度の目的が明記されている。要約すれば、「マラソン日本記録を越える複数のスター選手を輩出し、その勢いで東京五輪のメインスタジアムにマラソンで日の丸を掲げること」だ。