エリート一家の3代目 “坊ちゃん”琴ノ若は高校で相撲に覚醒
22歳・佐渡ケ嶽部屋・前頭18枚目
父は元関脇琴ノ若、母方の祖父は元横綱琴桜。そんな相撲エリートの家系に生まれた2代目琴ノ若は「少なくとも親父以上の素質がある」と、言われている。体格も191センチ、181キロだった父にひけをとらない。
幼少期から祖父の薫陶を受け、自宅を兼ねる佐渡ケ嶽部屋で育った。しかし、頭角を現したのは意外にも高校時代だ。
佐渡ケ嶽部屋のタニマチ筋が言う。
「子供の頃から琴桜の手ほどきで相撲をやっていたが、坊ちゃん気質なのか力強さや覇気といったものがなく、弱かった。埼玉栄高校でも2年までは鳴かず飛ばず。仮にあのままプロ入りしたら、せいぜい幕下止まりだったでしょう。それが3年時に主将に指名されてから、顔つきが変わった。相撲ぶりもそれまでとは一変して積極的になり、その年のインターハイで団体優勝。決勝戦では2対2で迎えた大将戦、土俵際に追い詰められて九分九厘負けていたのに、起死回生の逆転劇です」
父である先代琴ノ若こと佐渡ケ嶽親方も、あくまでひとりの弟子として接している。