新大関・朝乃山 コロナ禍の自粛ムードは「不幸中の幸い」

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 人気力士の「洗礼」を浴びずに済んだのが、せめてもの慰めだろう。

 連日、稽古で汗を流している新大関朝乃山(26)。相撲に集中するという、当たり前だが充実した時間を過ごしている。

 普通、注目力士は場所直後からCMやイベントの出演オファーが殺到するもの。

 新大関となればなおさらだが、今は新型コロナウイルスによる感染拡大で自粛ムード一色。現状、参加人数が多いイベントなどは開催できないので「雑音」に惑わされる心配はない。

 仮にコロナ禍がなかった場合、高砂部屋のタニマチのひとりは「多少は稽古量が少なくなったかもしれない」と、こう続ける。

「朝乃山は昨年5月場所で初優勝。トランプ杯を手にした初の力士となった。名前と顔が売れたことで、イベント出演や取材などが殺到。それを律義に受けていたものだから、5月場所直後からはしばらく分刻みのスケジュールを余儀なくされた。当時、6月に富山合宿があったけど、本人も余裕がなくてピリピリしていたようで、挨拶から何からぞんざいになり、地元では『テングになっている』と悪評だった。私が新聞記者さんらに『最近はいつもあんななの?』と聞いたら、彼らも『あんなに不機嫌な朝乃山は初めて見た』と困惑していたほど。それで高砂親方に態度を注意され、本人も反省したのでしょう。大関昇進後は本人が『CMやイベントなどは極力断る』と話していましたからね。それでも太いタニマチからの要請だったり、親方と縁のある筋からの頼みは断りにくいですが」

 稽古に専念できるのは不幸中の幸いかもしれない。

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