目先より数年後の勝敗 監督が良ければ勝てるわけじゃない
しかしながら松本を率いていた時もそうだったが、苦境下でも足を止めないのが反町流である。
あえてこの時期に「四位一体」という新語を打ち出し、日本サッカーを土台部分からテコ入れする強い意志を示した。
技術委員会はこれまで強化、指導者養成、育成の「三位一体」でやってきたが、これに<普及>も加えて「四位一体」としたのである。
というのもコロナ禍で全国各地の町クラブやスクールが、活動休止寸前にまで追い込まれているから。存続危機に瀕しているチームを守るべく、サッカー協会は「JFAサッカーファミリー支援事業」をスタートさせ、6月4日までに直接融資額が3億円に到達した。
反町氏が普及を強調したのも、こうした背景があるからだろう。
■2050年W杯優勝 全体の底上げを
「自分が考えなきゃいけないのは、目先の代表の勝利だけじゃなくて何年後かの勝ち負け。成果が出るのは2~3年後、10年後かもしれない。<JFAの約束2050>ではW杯優勝を掲げているんだから、そうなるように努力しないと。中国が名将リッピを連れてきてもW杯本大会に出られなかったように、監督が良ければ勝てるわけじゃない。そんなスーパーマンはいない。日本全体の底上げをしないとダメなんだ」