リリーフ投手苦難のシーズンをこう見る これが私の継投論
“生涯一投手コーチ”を自任する私が実践してきた投手起用の要諦を簡単にまとめると、次のようになる。
①打たれる前に代える
②リリーフ投手の「イニングまたぎ」はしない
③打たれたリリーフ投手には翌日に必ずリベンジするチャンスを与える
④3度続けてやられた場合は二軍で再調整
他にも状況、場面に応じていろいろあるが、優先順位の高い決まり事から並べるとこうなる。
①は、言うはやすしで、これを実践するには覚悟がいる。好投している投手は代えづらい。多くの監督は、「もう1イニング」と欲を出してしまうものだし、代わって出た投手が打たれれば、「継投ミス」と批判される。結果、「続投」という安全策に傾きがちだ。打たれて代えられた投手は、当然、それを引きずる。常に気分よくマウンドに立てるようにしてやるのが、長いシーズンで投手の戦う気持ちを持続させる秘訣である。
②は、①と同じで欲を出してはいけないということだ。そのイニングをピシャリと抑えても、投手はベンチに戻ってホッと一息つくと、戦う気持ちが守りに入る。いい仕事をしたときほど、次も完璧にやらなければと思い、それがプレッシャーになるものだ。「イニングまたぎ」が失敗するケースが多いのは、そういう投手のメンタルが分かっていないから。