大相撲が半年ぶり“有観客”も…親方衆は感染危惧し戦々恐々
館内でリモート会見
報道陣の取材も制限された。力士、親方への直接取材は禁止。力士はZoomを利用したリモート会見、親方は電話での取材となる。
記者クラブのある地下を含め、国技館の1階以下は立ち入りできず、2階の相撲茶屋が臨時記者室になっている。
「東西の支度部屋にパソコンが設置され、力士はそこで取材対応をする。幕内は基本全員可能ですが、十両以下は前日までに申請が必要。許可が下りれば、支度部屋にその日、取材の要請がある力士の名前が張り出される」とは担当記者の弁だ。
■「体が二つ欲しい」
親方のひとりは「開催に向けて、執行部の親方衆はかなりドタバタだったようですね」と、こう続ける。
「例年なら、本場所に向けた定例会は2週間に1回ほど。何事もなければ、そんなものです。それが今回は1週間に1回の会議でも足りなかったようで、最終的には2、3日に1回は国技館に足を運んだそうです。執行部の親方のひとりは、『感染症の対策は俺らだけじゃ無理。専門家の先生から意見や提言が出る都度、それをもとに協議しなきゃいけない。弟子の面倒も見なきゃならないしで、体が2つ欲しいくらい』とコボしていましたから。外からの意見ということについては、外部理事の意見もだいぶ参考になったようです」
会議に追われたのは執行部に限らない。前出の親方が言う。
「初日の打ち出し後も行いましたが、自分たち親方衆は運営や警備などさまざまな部門ごとに連日、会議をやっていくことになります。今場所はただお客さんが少ないというだけではない。例えば全取組が終了したあとも、1階と2階のお客さんの帰る時間をずらす『規制退場』など、初めての試みですから。とにかく手探り状態というか、行き当たりばったりみたいなもの。やりながら修正していくしかない」
感染者を出さず、無事に15日間完走できればいいが……。
【写真】【大相撲7月場所2日目】半年ぶり「有観客」開催に迫った!(21枚)