平幕・阿武咲が唯一5連勝でトップ 大ケガからの逆襲なるか
平幕の阿武咲(24)が初日から5連勝と快進撃を続けている。
17日は188キロの巨漢、碧山を押し出しで撃破。4連勝中だった新入幕の翔猿が敗れたことで、幕内で唯一の土つかずとなった。
相撲王国青森県出身で、高校を中退して角界に飛び込んだ筋金入り。2015年1月場所で新十両、17年5月場所で新入幕を果たし、その年の11月場所では早くも小結として新三役の土俵を踏んだ。
しかし、好事魔多し。18年1月場所中に右ヒザの十字靱帯を損傷して途中休場。翌3月場所も全休すると、それまで順風満帆だった相撲人生は暗転した。
その後は十両1場所を経て返り入幕となったものの、平幕の上位と下位を行ったり来たりだ。
かつては若手の成長株筆頭といわれ、白鵬、稀勢の里(現荒磯親方)にも可愛がられていた逸材。それがたった一度のケガで大きくつまずいた。
「今場所はだいぶ調子が良さそうだが、ヒザのケガとどう付き合っていくか。数場所続けて休養するならともかく、出場を続けている以上、ヒザは完治しないものと思っていい。とにかく下がらず、前に出る相撲を続けるしかない。攻める分にはヒザの負担はさほどでもないが、防戦で踏ん張るとさらにケガをする恐れもある」(ある親方)
逆境から這い上がり、大輪の花を咲かせることができるか。