虎フロントは今オフ大刷新 2度目のクラスターに親会社激怒
「親会社はフロントの管理体制の甘さに怒り心頭です」
阪神OBがこう言った。先日、糸原、岩貞ら選手、スタッフ合わせて7人ものコロナ感染が発生したことについてだ。
阪神の谷本副社長兼球団本部長が「会食が原因だと推察できる」と話したように、感染の契機になったとみられるのが9月19日、名古屋遠征中の選手、スタッフによる会食だ。
■選手がこぞって内規違反
球団は名古屋と広島遠征時に限り、指定日を設けて球団関係者や家族との外食を認めていた。人数は4人以内で2時間をメドとし、同じポジションの選手同士での会食を禁止していたが、感染した糸原、岩貞、陽川ら人数制限を超える8人が集まり、同一ポジションの選手も参加。感染した馬場と浜地も、同じ投手の岩崎、小川の4人で食事をしており、ルール違反を犯していた。
外食くらい……とみる向きもあるだろうが、阪神に限っては、より厳格なコロナ対策を講じてしかるべきだった。
というのも、3月に藤浪、伊藤隼、長坂の3選手が感染。直前に男女20人以上が集まる“合コン”に参加、一般人も含めて複数の感染者が出る事態となったからだ。球界関係者が言う。
「その際、揚塩球団社長は記者会見を開き、『結果的にこのように感染者が出たということに対して、今から思えば、もう少し厳しく外出禁止という形で臨んでいた方が良かったのかなという反省もございます』と陳謝した。にもかかわらず、再び感染者を出し、選手の自覚のなさが明らかになった。球界全体がコロナ禍でのシーズン遂行に四苦八苦する中、水を差したわけで、阪神は他球団、というより球界全体からも白い目で見られています」
今回、揚塩社長は会見を行わず、管理部門のトップである谷本本部長が「私のミスジャッジだった」と陳謝したが、改めてチームのユルフン体質が明らかになり、親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)、阪神電鉄内では、「球団の管理体制が甘すぎる」とフロントの責任を問う声が上がっているという。前出の阪神OBが明かす。
「6月の阪急阪神HDの株主総会では、藤浪らがコロナ感染したことに関し、株主から『藤浪君は悪くない。周りがチヤホヤしすぎだ』との指摘があった。これに対して親会社・阪神電鉄担当役員の百北常務は『プロ野球人、社会人としての自覚を強く促し、より厳しく行動処置を取るべきではなかったのかなと思う』と頭を下げている。半年で2度のクラスターはコンプライアンス重視の風潮にあって企業としては致命的。今年末で3年目を終える揚塩体制は刷新される可能性が高い」