著者のコラム一覧
六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

追憶のマラドーナ 前代未聞だった凄まじい“ブーイング”

公開日: 更新日:

 そのスキラッチのゴールで先制(前半17分)したまでは、イタリアの狙い通りの展開だった。

■マラドーナの鬼気迫るプレーでアルゼンチンは反撃

 しかし、アルゼンチンはマラドーナが鬼気迫るプレーでチームを鼓舞し、て反撃に転じると、カニーヒアのゴール(後半67分)で今大会、初めてイタリアの堅牢なゴールを破ることに成功した。

 試合は1-1のままPK戦に突入した。するとアルゼンチンのGKゴイコチェアが、2本のシュートをストップする大活躍で開催国の望みを断ち切った(アルゼンチンの4ー3)。ナポリの王様の勝利を喜ぶべきなのか、それとも母国の敗退を悲しむべきなのか……。

 何とも言えない沈黙がスタジアムを支配した。

 アルゼンチンは2大会連続の決勝戦進出を決めたが、得点源のカニーヒアら主力4人が、西ドイツとの決勝戦に出場できなくなった。どこかフレンドリーな気配が漂っていたイタリアvsイングランドの3位決定戦と比べるまでもなく、7月8日の決勝戦は、殺伐という言葉がぴったりの雰囲気に支配されていた。

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