メジャーリーグで詐欺被害多発 大物選手やOBは恰好のカモ
日本では最近、211人の競艇選手が指南役の税理士の口車に乗って持続化給付金を不正受給したとされる集団詐欺事件が発覚した。
メジャーリーグでは選手たちが「主犯」となった詐欺事件は起きていないが、大金持ちであることに目を付けられ、現役選手やOBが詐欺被害に遭うケースが増えている。
昨年2月、米アリゾナ州で発覚した仮想通貨投資詐欺事件では同州在住のOBや現役選手が「年30%のリターンを保証!」という甘い話に乗って大金(日本円で数百万円から3300万円)を詐取されている。司法当局の判断で被害者の氏名は公表されていないが、裁判の過程で被害者はメジャーリーグ関係者を中心に約100人、被害総額は1500万ドル(約16・5億円)以上にのぼることが判明している。
主犯のカルーソ(逮捕時29歳)は2017年秋に6年間のムショ暮らしを終えて出所したあと、アリゾナでねずみ講式の仮想通貨詐欺を手掛けるようになった根っからのワルだ。信用構築の名手でもあり、大リーグ関係者に信用されるためまず元エンゼルスのエース格だったC・J・ウイルソン(17年に引退)が経営する高級車販売会社からランボルギーニ、ポルシェなどを購入して親しい関係になり、自家用ジェットに同乗している写真を撮って宣伝物に掲載。さらに自分の豪邸で開催した投資勧誘イベントに現役の有名投手トレバー・バウアー(ドジャース)や大物OBのポール・コネルコ(元ホワイトソックスの主砲)をゲストとして招き、親しいように振る舞うことで野球関係者を信用させ、顧客に引き込んでいた。