いつもより真面目なトーンで池江璃花子の復活を語りたい
池江璃花子選手が日本選手権女子100メートルバタフライで3年ぶりに優勝した。難病を抱える人々がどれだけ勇気を与えられたか。
いつもよりちょいと真面目なことを書かせてもらう。抗がん剤投与の苦しさは経験したものじゃなけりゃ分からん。オレも一応経験した。1カ月に6回投与されて、がん細胞とともに健康な細胞まで退治される。筋肉は剥ぎ取られ、ついでに髪の毛も剥ぎ取られる。
「マツザキさんの場合は髪形の心配がそもそもないですから、よかったですね」と医者に言われて力なくワハハと笑いこそすれ、生きるために最低限度必要な活力も奪われたんだ。なんとか医者から「寛解」と言われてどうにか息をしているが、外からのウイルスの不意の攻撃に対して、抵抗力は健常者よりも格段に落ちた状態で生きていく覚悟が要るんだ。そんな環境で、スポーツ選手として復活することがどれほどの努力と精進を要するか。そこんところをみんな、想像してもらいたい。
この競泳日本選手権大会が「東京五輪の選考を兼ねた」というただし書き付きだというのが、とても気になる。