冴えない渋野の米ツアー参戦“中間決算” 五輪出場にも暗雲
【ホンダLPGAタイランド】
「(次戦まで)1週間空くので、自分のやるべきことをしっかりやって備えたいと思います。センキュー!!」
渋野日向子(22)は明るくそう言ったものの、結果は冴えなかった。
36位から出た最終日は5バーディー、2ボギーの69。通算9アンダーでトップと13打差の34位タイに終わった。4人が出場した日本人の中で最下位である。シンガポールで開かれた前週のHSBC女子世界選手権は、通算11オーバー67位タイのブービーだった。3月末に日本を離れて米ツアーに参戦し、これが4試合目。最高順位は2戦目の33位タイと苦しい戦いが続いている。4試合で得た賞金も、日本円で約280万円にとどまっている。
国内メジャー制した西村優菜は2400万円
同じ日、プラチナ世代の西村優菜(20)が制した国内メジャーのワールドレディスチャンピオンシップ・サロンパスカップの優勝賞金は2400万円。2019年の前回大会(20年はコロナウイルスの感染拡大で中止)で涙のツアー初優勝を飾った渋野にとっては思い出深い大会で、コースとの相性もよかった。
米ツアー参戦で結果的に賞金を稼ぎそびれたうえに、ディフェンディングチャンピオンに課せられる出場義務違反で100万円の罰金を取られては踏んだり蹴ったり。タイでの今大会で渋野が手にした賞金は、罰金額をわずかに上回る約108万円だった。
渋野が日本を離れたのは、来季の米ツアーにフル参戦する権利を手にするためで、もちろん賞金などは二の次だ。とはいえ、今の調子では米ツアー出場権も見えてこず、日本勢3位に転落した東京五輪代表にも黄信号。今年に入っての国内ツアー4戦ではすべて予選を通過して最高11位だっただけに、今回の米ツアー参戦はいろいろな意味で凶と出てしまうかもしれない。