渋野日向子を悩ます“三重苦”…飛ばず・上がらず・乗らず
【全米女子オープン】第2日
2オーバー41位タイ発進の渋野日向子(22)は、大会2日目に1バーディー、6ボギーの76とスコアを落とし、通算7オーバーでホールアウト。カットラインに1打足りず予選落ち、決勝ラウンドには進めなかった。
主催の全米ゴルフ協会(USGA)が設定するメジャー大会はフェアウエーが狭く、ラフが深く、小さなグリーンは高速とタフだ。さらに会場は「ティーイングエリア以外にフラットな場所がない」と言われるぐらいフェアウエーが左右どちらかに傾斜しており、狙いどころを絞るのが難しい。
渋野は初日、フェアウエーを外したのは3ホールだけ(78.57%・ランク10位タイ)。ティーショットは安定していたが、肝心のパーオン率は44.44%(8ホール・102位タイ)とアイアンの精彩を欠いた。
1987年の全米オープンを取材し、会場でプレー経験もある菅野徳雄氏(評論家)が「渋野のスイングではこのコースは厳しい」とこう続ける。
「打ち上げが多いグリーンを狙うには高弾道のキャリーボールを打たなければ乗らず、手前の深いガードバンカーにつかまるようにレイアウトされている。トップが低く、しゃくり上げるような渋野のスイングではボールが上がらない。アイアンは高い位置からヘッドを鋭角に下ろしてこなければバックスピンもかからない。第一、フェードボールも打てない。右、左へと打ち分ける技術がなければ、予選は通っても、上位争いは難しいでしょう」