渋野日向子はスイング改造以上に「心の闇」に苛まれている 今季メジャー初決勝Rへ
初日はショットが安定せず、4オーバー93位と大きく出遅れた。ホールアウト後は、ファンのサインに応じてはいたものの、本来の笑顔は見られなかった。
渋野には石川遼や、たまにスイングのアドバイスをもらえるコーチがいるそうだが、メンタルのトレーナーはいない。
「渋野は畑岡(奈紗)や笹生(優花)のように英語は話せないし、慣れない米国の生活は大きなストレスになっていた。メンタルトレーナーでなくても、気兼ねなく、何でも話せる者が帯同していれば、米国遠征はもう少し違った結果になっていたかもしれません。松山(英樹)も今年から目沢(秀憲)コーチをチームに入れて、スイング論などを話すことで、プレー中の気持ちも変わったという。ひとりで抱えずに、思っていることを言葉にするというのはメンタルヘルスに有効だと聞きました」(前出の関係者)
心の問題といえば、思い出すのは2019年の全英女子オープンに勝った2週間後の大会(NEC軽井沢72ゴルフ)だ。渋野は最終日の18番ホールで5メートルのバーディーパットを沈めたら優勝だった。ところが、「緊張で手が動かなかった」(渋野)ことで、バーディーパットは2メートルもオーバー。返しのパットも外した。全英覇者として日本中から注目される中でのプレーがミスにつながった。あのシーンを見て、イップスを心配するツアーコーチもいた。
今回の米ツアーも過度のプレッシャーとストレスが、似たような心理状態を生んだのかもしれない。
国内ツアーに復帰したら、別人のようなゴルフを見せてくれるだろうか。