渋野93位T発進で五輪へ正念場…尾を引く19年の米ツアーメンバー登録見送り決断
【全米女子プロゴルフ選手権】第1日
東京五輪ゴルフ競技の日本代表2枠目を決める、最後の対象試合であるメジャー大会に出場した渋野日向子(22)は初日、1バーディー、5ボギーの76で回り、4オーバー・93位タイ発進だった。
すでに代表決定の畑岡奈紗(22)は3オーバー・75位タイ。フィリピン代表で五輪に出場する笹生優花(20)は1オーバー・39位タイにつけた。
前回リオ五輪の女子メダリスト3人(金=朴仁妃、銀=L・コ、銅=フォン・シャンシャン)は、いずれもメジャータイトルホルダーだった。経験と実績が大舞台で生きた。
2019年に全英女子オープンに勝った渋野はいま、世界ランクでは稲見萌寧(21=25位)、古江彩佳(21=28位)につぐ日本勢4番手の31位と代表入りには厳しい状況だ。
それでも「まだ(五輪出場の)チャンスはある。頑張る」(渋野)と前向きで、可能性は低いが今大会でメジャー2勝目を挙げたら文句なし。単独2位以上でも、稲見、古江を逆転し代表入りとなる。
長期ビジョンを持つ笹生とは大違い
その渋野は現在、米女子ツアーに長期参戦中であり、メンバーカード取得に向けて必死に戦っている。今季のメジャーは「ANAインスピレーション」「全米女子オープン」とも予選落ち。6試合に出場してトップ30が一度もなく成績は低迷している。
「本来、2019年の全英女子オープンに勝った直後に、米女子ツアーにメンバー登録できるチャンスがありながら、海外の長距離移動や、英語も話せないからストレスになる、という理由で見送った。メジャーに勝ちながら、プロとしての明確な長期ビジョンがなかったのだと思います。その点、笹生は全米女子オープンに勝つと、『家族と相談して決める』と言い、すぐにメンバー登録を済ませて5年シードを手にした。笹生は小さい頃から将来は米女子ツアーで戦う目標を持っていた。一方、渋野は自身もビックリのメジャー勝利に戸惑い、日本ツアー専念を決めて米国行きを先送りした。その後に、『やはり米女子ツアーで戦いたい』と方向転換し、苦戦している」(ツアー記者)
後悔は尾を引いている――。