鈴木誠也がメジャー挑戦!「価値と価格」を高める“メル友”大谷翔平の猛プッシュ

公開日: 更新日:

 日刊ゲンダイ既報(11月3日付)の通り、広島鈴木誠也(27)のポスティングを容認、日本の4番がメジャー挑戦することになった。

 16日、広島市のマツダスタジアムで取材に応じた鈴木は「もっともっとスケールの大きい選手になるために、しっかり勝負していきたい」と抱負を語り、球団の鈴木清明本部長は「彼にとって今がベストなタイミングと判断した」と説明した。

「数年前から球団に挑戦を希望していた誠也は準備万端、代理人の選定も済んでいる。代理人からは、『ポジションは問わないが、外野のレギュラー確約を望んでいる』との希望が各球団に伝えられている。誠也はメジャーを意識する契機として、2015年にヤンキースから広島に復帰した黒田(博樹)の名前を挙げていたが、それ以上に大谷翔平(エンゼルス)の存在が大きい。2人は同学年でシーズン中もメールなどで連絡を取り合う仲ですから」(広島OB)

 実際、大谷はこの日の広島のポスティング容認を知ってか知らずか、前日15日に行った日本記者クラブでの会見で、「今のプロ野球の中では頭一つ抜けている」と鈴木の実力に太鼓判。メジャー球団へのアピール役を買って出たうえで、「毎年毎年レベルも上がってますし、同じことをやっていては同じ成績は残らない。常に上を目指さないといけないと思う」と同級生の背中を押した。

「大谷は誠也のメジャー志向については当然、知っていた。2人は16年の侍ジャパンで日本代表に選出されて以来、互いを認め合う仲になって連絡先を交換。プロ入り前からメジャー志向のあった大谷に影響され、それまであまり興味のなかったメジャーの試合を見るようになった、と誠也は言っていた。16年オフには初めて公の場で『(メジャーに)興味がある』と関心を口にするようになりましたからね。メジャー1年目の大谷がオープン戦で不調をかこつと、すぐさまメールで『大丈夫?』と連絡し、メジャー初安打を打った日も祝福の連絡をしたと言っていたし、『翔平に“そっちは楽しい?”と聞いたら、“楽しいよ”と返ってきた』と目を輝かせていたものです」(前出のOB)

 今季のメジャーのMVP最有力候補である大谷が「日本で頭一つ抜けた存在」と話したことで、いよいよ米球界、米メディアの間で「セイヤ」の名前が注目されることになったという。

 先日のGMミーティングでは、マリナーズのディポトGMが「日本人抜きで開幕を迎えることはないだろう」と発言するなど、レンジャーズ、ジャイアンツ、ロッキーズなど複数球団がすでに獲得調査に乗り出している。

右翼ではなく中堅

 ポジション的にも評価を押し上げそうだ。鈴木がメジャー挑戦を表明する直前、米ニューヨーク・ポストの記者が自身のツイッターで、「広島東洋カープが中堅手の鈴木誠也のポスティングを発表する予定と聞いている」とつぶやいた。メジャーに詳しいスポーツライターの友成那智氏の話。

「鈴木の定位置は右翼ですが、中堅手と評したのはそれだけ注目の選手だとする意図もあったのでしょう。メジャーではセンターが外野の要であり、最も守備力が優れた選手が守る。日本ではライトも重要視されますが、野手ではショートと並んでセンターが最も高く評価され、契約条件もいい。今季、エンゼルスのトラウトがライトへの転向を拒否したのも、センターとしてのプライドがあったからです」

 19年オフに、西武の中堅手・秋山翔吾(33)が海外FA権を行使し、レッズと3年2100万ドル(約24億円)で契約した。

「秋山は譲渡金が不要だったとはいえ、当初は総額1000万ドル程度の契約になるとみられていた。しかし、『1番打者兼中堅手』を欲しい球団が4~5つあり、条件が吊り上がった。鈴木は秋山より評価が高い上に、今オフのFA市場は外野手が手薄。1、2番が打てて守備力が高く、肩が強いセンターとして獲得に乗り出す球団が増えれば増えるほど、いい契約になります」(友成氏)

■敏腕代理人の存在

 辣腕代理人の存在も味方しそうだ。

 鈴木は、ダルビッシュや前田健太筒香嘉智を顧客に持ち、昨オフには菅野智之有原航平も担当した「ワッサーマン」のジョエル・ウルフ氏が担当するという。

 ジョエル氏は、米経済誌「フォーブス」が発表した全ジャンルのスポーツ代理人契約ランキングで7位にランクイン。

「MLBではオーナー側と選手会側による新労使協定の交渉が難航。12月1日までにまとまらないと、選手の獲得交渉は凍結される。そうした懸念はあるにせよ、ジョエル氏はヤンキースのスタントンら大物をはじめ、多くの顧客を持ち、各球団とのパイプも太い分、さまざまな球団と交渉のテーブルにつくことができる。米球界でも、アコギな商売をする代理人ではない、と評価されている。筒香は早速、今季在籍したパイレーツと年俸400万ドル(約4.6億円)の1年契約を結んだ。メジャーで2年間プレーし、活躍したのは最後の2カ月程度。200万ドル程度が御の字かなと予測していましたが、いい契約を結びました。優秀な日本人選手を多く抱えることで、信頼も得ています」(友成氏)

 セイヤ・スズキの名が間もなく、全米に轟く――。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  2. 2

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  3. 3

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    【萩原健一】ショーケンが見つめたライバル=沢田研二の「すごみ」

  1. 6

    中居正広氏の「性暴力」背景に旧ジャニーズとフジのズブズブ関係…“中絶スキャンダル封殺”で生まれた大いなる傲慢心

  2. 7

    木村拓哉の"身長サバ読み疑惑"が今春再燃した背景 すべての発端は故・メリー喜多川副社長の思いつき

  3. 8

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  4. 9

    【独自】「もし断っていなければ献上されていた」発言で注目のアイドリング!!!元メンバーが語る 被害後すぐ警察に行ける人は少数である理由

  5. 10

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード