西武に移籍すると清原和博に「巨人っていいんですか?」と質問攻めにされた
「デーブ」こと大久保博元との交換トレードで巨人から西武入りした私は、主砲の清原和博に「あの(三冠王3度の)落合(博満)さんに『体の軸で打っているのは中尾さんだけ』って言われたんですよね?」と聞かれ、それから打撃談議をするようになった。
その後、悩みを聞いた。
「ボク、インコースを打つ時にうまく左の肘をたためないんです」
清原は内角が苦手だった。
「左肘を抜いてさばく方法があるぞ」
今では巨人の坂本勇人が芸術的なインコース打ちをする。まさにあれである。清原は「なるほど」とうなずいたものの、結局最後まで内角の球を窮屈そうに打っていた。
PL学園時代、ドラフトで熱望した巨人入りがかなわず泣いていた姿、1987年の日本シリーズで巨人を倒す直前、守っている一塁で涙を流していたのを思い出した。96年オフにFA宣言をすることになる清原は、やはり巨人に興味津々で、私を質問攻めにした。
「やっぱり巨人っていいんですか? 他とどこが違うんですか?」