世界から非難囂々でもロシアでフィギュアは“通常営業” 天才少女量産の裏に「コネと格差」
犠牲者は減らない。
ウクライナへの侵攻を続けるロシア。国際オリンピック委員会(IOC)は全競技の国際大会におけるロシアとベラルーシの選手、関係者の除外を求め、プーチン大統領らに与えていた五輪功労賞も撤回した。
それでも、国内で“通常営業”を続ける競技もある。ウクライナへの侵攻前日に開幕したフィギュアスケート・ロシア杯ファイナルは滞りなく開催。女子シングルジュニアでは「ポストワリエワ」が表彰台を独占。金メダルを獲得したソフィア・アカチエワ(14)は、12歳で3回転アクセルを習得した逸材で、今大会では2種類の4回転ジャンプを成功させた。表彰台の3人を指導するのは、ドーピング違反が判明したワリエワのコーチでもあるエテリ・トゥトベリゼ氏(48)だった。
ワリエワ問題では、ロシアフィギュア界の過酷な練習と異常な指導体制が浮き彫りになった。
それでもワリエワのような選手は減るどころか、逸材が湯水のごとく出てくる。施設の充実やエテリコーチの手腕があるとはいえ、天才少女が次々に量産される背景にはロシア国内の格差とコネ体質があるという。ロシア情勢に詳しい筑波大の中村逸郎教授が言う。