プロ2年目で開幕投手に 仰木彬監督と権藤博投手コーチから告げられた言葉の重み
と言われた。
近鉄は前年、最下位に沈み、この年から仰木さんが監督に就任。投手コーチは権藤さんが務めていた。2人とも改めて選手を集めてミーティングをやるタイプではなかったけれど、1対1で告げられた言葉の重みは十分に伝わった。
それだけにシーズンの終盤も終盤、13日間で15連戦の日程が決まったときは、いよいよ権藤さんの言う「そのとき」が来たのだと気持ちは奮い立った。
■先頭を切っていく気持ちで
私は15連戦の初戦から中4日、小野和義と山崎慎太郎も同様に過酷なローテで回った。自分だけが過酷な条件で投げていたわけではない。野手は毎日だ。みんなで乗り切る。これはもう、中何日というのではなく、投げると決まった場所でとにかくベストを尽くすことだけを考えた。まして自分は開幕投手を務めていた。そこはもう、先頭を切っていくくらいの気持ちでいた。
最後のダブルヘッダーの前日まで、近鉄は7連勝を含む9勝4敗。当時は若手が出てきて、ちょうどベテランと入れ替わりの時期。メンバーが固定されていればともかく、チームとしての計算が立たない。とにかく目の前の試合に勝とうとチーム全員で必死にプレーした結果が、最後のスパートにつながったと思う。