コロナ禍のACLアウェー戦 熱烈サポーター観戦記③ジョホールバルからフロンターレに愛を込めて

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 成田空港で出国手続きをしてるとグラグラっと揺れた!茨城で震度5弱。それでも準備万端だったので動揺することなく、出国手続きもスムーズに完了……っていうか成田空港、あまりにも閑散とし過ぎ。初めて見る光景。まぁ~GWになれば人も増えるんだろうけど。

 ともあれしっかり事前の準備をしさえすれば、このコロナ禍でも海外には行ける!もちろん諸々かなり面倒な部分も多かった。コロナ以前、いかに海外行きが容易だったのか、ホント実感させられました。

 そうそう、成田からの同じ便に「桜のマーク」を付けた団体さんがいました。確か女子のラグビー日本代表のチーム?女子トイレで桜のマークの女性に話しかけてみるとやはりそうだった。シンガポール経由でオーストラリア・ブリスベンに飛ぶとのこと。

「久しぶりの海外遠征ですよね!」「ワクワクですよね!」。お姉さんは笑顔いっぱいで言葉を送り、お互いの旅の安全と勝利を願いつつ、「コロナ対策はしっかりね~」とみんなで手をゴシゴシと洗いました。

慌ただしかったジョホールバル入り

 シンガポールのチャンギ空港に無事到着。ここからアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の試合会場マレーシア・ジョホールバル(JB)へはバスによる陸路での国境越え。

 まずはシンガポール側のイミグレに到着。お客さん全員が一度バスから降り、自分の荷物をすべて持って出国審査を受け、それから再びバスに戻る……その移動スピードが物凄く速いこと!

 えっ、えっ、えっ、ナニ、ナニ?先着順とか人数制限とか、そんなのがあるわけ!?と言いたくなるほどの猛ダッシュ。一緒にアタフタしてからバスは橋を渡って海峡を越え、マレーシア側に着いたと思ったら、マレーシアのイミグレでもまったく同じ状況。どうしてそんなに急ぐのか、聞いてみる余裕もなく、慌しくJB入り!

 ホテル隣接のショッピングモールのエレベーターに乗ったら、突然!ガタッ!と止まって真っ暗の中、一人で5分ほど閉じ込められたり、日本から持ってきた10年前の米ドル紙幣は「それ、古いから両替はダメ!」と拒否られたり、持参した変換プラグをコンセントに差した瞬間にバチッ!って光ったり、ビールを買うのに店が見つからずに1時間ほど彷徨ったり。

 でもね、ちょっとだけ贅沢してキレイなホテルにチェックイン。27階の高層階の窓からシンガポールとの国境・ジョホール海峡の光景を眺めていると「ここに来るまでの苦労」が、ぜぇ~んぶ吹き飛んだかも。「あぁ~何年ぶりだろ、海外なんて」と感慨に浸りつつ、早目に試合会場のスルタン・イブラヒム・スタジアムに向かいました。

「アウェーあるある」の洗礼

 この日は朝から雨。川崎フロンターレとジョホール・ダルル・タクジム(JDT)戦のキックオフ(現地午後10時=日本時間午後11時)のころには雷雨の予報。結局、雨に洗い流されることはなかったけど……。「アウェイの洗礼」と言われる「アウェーあるある」現象は、しっかり出現しましたね。

 スタジアム周りをしっかり下見し、チームバスが着くであろう入口も確認。もちろんコロナ禍だから選手に近寄ったりしないことは当たり前ですが、遠めに見守ることもここではダメって。

 まぁ~それは仕方ないとしても、ビジター入場口でスタッフから「システムがダウンしてるからQRコードが読み取れない。あなたたちは入れないよ!」って言われたのには「はぁ~~??」。

「ホームサポさん、どんどん入場してるじゃん!」

「ビジター側だけシステムダウン??そんなことあり得ないでしょ(もしかしてあるの?)」

 マレーシア在住のチャナファン(川崎所属のタイ代表チャナティップのファン)という男性2人と入り口でかなり長い時間、ブツクサ言いながら佇むはめに。

 でも、これがアウェイ!海外に行けたからこその経験と思えば、また楽しからずや。

 で、やっと入ったビジターエリア。うぅわぁ~こんな2階席の、それも上の方の端っこ。「なんてこった」とつぶやいていたら、次第に緩衝エリアを超えてJDTサポがどんどんビジターエリアに侵入して座り出すではないか。

 係員も止め切れず、緩衝エリアは最後、まったくなくなってしまった。おまけにワタシの周囲でJDTの応援までするホームサポもいる始末。

 試合後半にやっと少し強そうな警備のお兄さんたちが、数人やって来て「お前ら、そこ違うだろ~」「はいはい、すぐに移動して!」って排除してくれたけどね。

スタンドで大きな声で応援できた

 とってもとっても嬉しかったことーー。

 マスクはしたままだけど、Jリーグでは禁止されたままの「大きな声を出して応援」ができたこと! 

 Jリーグの試合前に歌う「好きです 川崎 愛の街」。川崎市民でもないワタシも知ってる「川崎市民の歌」を4人で声を振り絞って歌えた!(意味も分からず)聞いてたJDTサポも、ワタシたち4人に(控えめながらも)拍手をくれたよ。

 応援用の太鼓はなかったけど、持参した川崎メガホンを叩きまくって川崎コールもできたし、なんて幸せな気分(叩き過ぎて左手は今も赤く腫れているけど)。

 JDTの大音量の応援が止んだ瞬間に「ダミア~~~ン!」「まるちゃ~~ん!」って選手たちの名前を次々に絶叫。たとえピッチに声が届かなくても精一杯に叫び続けました。でも……結果は悔し過ぎる0-0の引き分け。正直言ってマジ、悔しいです。勝ちたかった。

 ゴールを決めてホームサポの大声援をシ~ンとさせて「か・わ・さ・き!か・わ・さ・き!」って叫びたかった。

 選手を応援する力が足りなかったかな……って反省しきりのワタシ。

 試合前に「今日の入場者数は1万人を超える」って聞いていたけど、その数を遥かに超える1万7592人。すげ~ぇ!だって1戦目は114人、2戦目は98人だよ。

 日本から来たフロサポは、ビジターエリアにコラム登場のいたさんとワタシ、あとお二方の総勢4人。「余程の変人かい、ワタシたちって」と自分でツッコミを入れながら誓ったのでした。

「本気モードをさらに上げに上げて次は絶対に勝つぞ!」

▽井上梨紗(いのうえ・りさ) 東京都出身のフリーランス・アナウンサー。高校時代からモデル活動を始め、大学時代に「東京アナウンスアカデミー」を修了。ラジオ、テレビ、各種イベントなどでMCやレポーターを務める。2003年から4年間の豪州在住経験を生かして留学関連アドバイザー、大好きなサッカー関連のセミナーやシンポジウムのMCなど活躍の場は多岐に渡る。

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