大坂なおみ全仏OP「負けるべくして」初戦負け…怪我、苦手コート、相手は手の内熟知
大坂なおみ(24=世界ランク38位)の最大の武器といえば、時速200キロ近いサーブ。そのスピードと威力が赤土のクレーコートでは殺されるうえに、ダブルフォルトが8本もあったのだから、苦戦を強いられたのも無理はない。
23日、全仏オープンテニス女子シングルス1回戦で米国のアマンダ・アニシモバ(20=同28位)に5ー7、4ー6のストレート負け。1月の全豪オープン3回戦で敗れた相手に、またしても勝てなかった。
全仏の初戦敗退は17年以来5年ぶり。4大大会の初戦敗退は19年の全英以来だ。
「負けるべくして負けたと思う」とスポーツライターの武田薫氏はこう続ける。
「大坂は左足のアキレス腱を痛めて、前哨戦のローマ大会を欠場した。ただでさえ実戦不足なのに苦手なクレーコートの試合をここまで2試合しかやっていません。練習はしているでしょうが、試合とは明らかに違いますからね。クレーの実戦をこなしていない影響は大きいですよ。しかも相手のアニシモバは子供の頃から大坂と同じフロリダを本拠地にしていて、ベースラインから激しく打ち合うテニスのタイプも似ています。大坂の手の内は熟知しているし、大坂にとっては最もやりづらい選手のひとりですからね」
次は舞台が芝に変わる全英だが、「大坂は足元が滑り易い芝も苦手にしている」(武田氏)そうだから、本来の姿は全米のある夏場のハードコートまで見られそうもない。
「もっと多くプレーして準備できていれば良かったと思う」とは試合後の本人だ。