どこが「伝統の一戦」? 阪神vs巨人の息詰まる投手戦をブチ壊した延長のヘボ合戦

公開日: 更新日:

 息詰まる投手戦が台無しである。

 20日の阪神巨人戦。巨人先発の戸郷が8回4安打無失点と今季一番の投球を見せれば、阪神先発の青柳も五回まで3安打無失点と完璧な投球。ウォーカーの適時打で2点を失った六回限りで降板したものの、リリーフ陣が踏ん張り追加点を許さない。そんなテンポのいい締まったゲームはしかし、九回裏の2死から飛び出した阪神大山の同点2ランで延長戦に突入すると、一気にヘボ試合に転じたのだ。

 まずは、巨人が1死満塁の好機をつくった延長十回表。3番吉川のゴロが三塁ベースの横に飛んだ。ここで、信じられないミスが出る。打球を捕った糸原がすぐ横の三塁ベースを踏み、本塁に送球。三塁走者の増田陸がタッチアウトで併殺完成──と思ったら、糸原がベースを踏まずに送球していたのだ。投手の岩崎が後続を断って失点にはつながらなかったが、テレビ中継で試合を解説していた元ヤクルト宮本慎也氏が「ありえないプレー」と絶句するボーンヘッドだった。

「いや、巨人も負けてはいない。その裏です。4番手の畠が先頭打者を四球で歩かせ、次打者の熊谷が投前にバント。明らかに二塁封殺が可能な打球だったのに、畠が躊躇して一塁に送球し、ピンチを広げた。これも失点にはつながらなかったからよかった、と言えるプレーじゃありません。もっと言えば、大山に一発を浴びたデラロサの投球も論外。2点リードの九回2死一塁、一発だけは絶対に避けなければいけないこの場面で、真ん中高めにスライダーを2球も続けた制球力と集中力のなさ。お粗末すぎます」(巨人OB)

 結局、試合は延長十二回に一挙4点を奪った巨人が6-2で勝利。阪神の4失点は遊撃中野の失策と死球にワイルドピッチが絡んでのものだった。「伝統の一戦」が聞いて呆れる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…