疑惑の高橋治之元理事への活動費9億円と突出 偶像のための五輪などあってはならない
「コモンズ」とコンサルタント契約を結んだAOKIホールディングス(AOKI)にとっても同様に彼の「偶像」は力となった。「高橋さんの人としての力に期待した」(青木同社前会長)とは言い得て妙である。その結果、高橋氏は月に100万円、トータル4500万円超の対価を受けることができた。
しかし、その実像はどうか? 東京2020開催決定時には1兆円の売り上げをめざすと宣言した電通。五輪のスポンサーは67社、電通1社が独占契約していたが、コロナ禍による延期と無観客でその目標には及ばなかっただろう。東京五輪2020は黒字を出せなかった。電通が損をしても高橋氏は儲けをいただく。組織委理事として大会の開催を主張していたのではなく、自分の利益のためと言われても仕方がない。
■「2年延期」を主張したものの…
思えば20年3月、コロナで同年五輪開催が危うくなってきたころ、IOCも組織委も予定どおりの開催としていた中、「2年延期」を主張したのも高橋氏だった。2年延期は2020を目指した選手にとって夢を諦めることになる。