バド桃田賢斗はなぜ勝てず? 7大会中4大会で“初戦敗退”…「元世界1位」凋落の原因
また早々に姿を消した。
東京で開催中の世界バドミントン選手権で桃田賢斗(27・世界ランク2位)が2回戦で敗退。相手は格下の世界18位、過去7戦全勝だった。
桃田の苦戦は1年以上に及ぶ。2020年にマレーシアで交通事故に巻き込まれ、右目眼窩底を骨折して戦線離脱。復帰した21年も新型コロナウイルス感染が判明するなど苦しい戦いが続き、東京五輪では予選リーグ敗退。昨年11月には121週維持してきた世界1位から陥落した。
直近7大会のうち4大会が初戦敗退。「元世界1位」はなぜここまで勝てなくなったのか。
バドミントンを取材するスポーツライターの平野貴也氏が言う。
「東京五輪後の世代交代で、スピードやパワーで圧倒する選手が増え、桃田が主導権を握れないことが苦戦が続く要因のひとつです。19年ごろまでは、相手に打たせてレシーブから自分のペースをつくるスタイルで勝ってきた。しかし今は強打をレシーブできない。全力で打たれるのを避けるため、素早く相手の頭上越しを狙うが、相手に跳び上がって打たれている。相手は『とにかく攻めれば勝てる』という対策が明白。ラリーでのつなぎは桃田の方が上手ですが、今はそのラリーに持ち込めないので、打開策が見当たらない。レシーブを改善するか、思い切って攻撃を増やすなどプレースタイルを変えるか、でなければ苦戦が続くでしょう。本人はスタイルを大きく変えるつもりはなさそうなので、勝機を見いだすのには、まだ時間がかかりそうな印象です」
元王者の苦難はしばらく続きそうだ。