新国立競技場で“絵になる男”キング・カズに「国立デビューは覚えている?」質問したら…
試合後、カズに「国立競技場でのデビュー戦は覚えている?」と聞いた。すると「90年のコニカカップでした」と即座に答えが返ってきた。
記録を調べてみるとーー1990年と1991年の2回だけ開催されたコニカカップの決勝戦で初めて国立のピッチに立ち、ヤマハ(現ジュビロ磐田)を相手に2-1の勝利を収めている。
■「優勝したら選手にも賞金が分配されるんですよね」
さらに1991年6月9日のキリンカップでは、1986年メキシコW杯得点王のリネカー率いるトッテナム・ホットスパー戦で初めて国立競技場のピッチに立つと、2ゴールの活躍で4-0の勝利に貢献。日本代表の初タイトルをもたらした。
このキリンカップを前に行われたホテルでの記者会見では、カズは同席したJFA(日本サッカー協会)の村田忠男・専務理事に対して「優勝したら賞金が出るんでしょう? 僕たちはプロなんだから、それは選手にも分配されるんですよね」と質問した。
これまでサッカー選手の誰一人として口にしなかった質問であり、想定外の問い掛けに村田専務理事も一瞬ムッとして言葉に詰まったが、「もちろん出します」と断言。日本代表の選手に賞金が分配されるようになったのは、このカズの質問がきっかけとなったのではないだろうか。