武将山虎太郎は「三歩進んで二歩下がる」コツコツの苦労人、部屋には薫陶を受ける力士も
27歳・藤島部屋・前頭14枚目
苦節10年目、悲願の新入幕を果たした。
師匠の藤島親方(元大関武双山)の父が教える「水戸尾曽相撲道場」で本格的に相撲を始め、順調に成長。勧誘されて進学した相撲名門校・埼玉栄高ではキャプテンを務め、2年時にインターハイ全国優勝を果たした。
藤島部屋に入門し、2014年1月場所の前相撲でデビューしたものの、十両に上がったのは21年。そして今場所新入幕と、足踏みが長かった。
「171センチ、171キロという丸っこい体格を生かし、前傾姿勢で相手のふところに入って持っていく押し相撲が特徴。基本に忠実な半面、けれん味がまるでなく、昇進が遅れた面もある。良く言えば素直で正直、悪く言えば不器用ということです。押し相撲専門で、組んだら三段目レベル。これは埼玉栄の1年後輩、貴景勝と似ていますね」(親方のひとり)
幕下では15年7月場所で7戦全敗を記録。徐々に番付を上げるも、大負けして大きく番付を落とすこともしばしばあった。十両筆頭で臨んだ昨年1月場所は勝ち越しなら新入幕だったが、まさかの2勝13敗。再びコツコツと励み、今回の昇進につなげた。