シェブロン選手権は冠スポンサー7回も変更 米国女子メジャー「年5大会」に透けるオトナの思惑
20日、女子の海外メジャー初戦「シェブロン選手権」が開幕する。
日本勢は畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳、西村優菜、勝みなみ、笹生優花のLPGAメンバーに加え、日本ツアーから西郷真央、アマチュアの馬場咲希ら総勢8選手が出場する。
昨年大会4位とメジャーになると強さを発揮する渋野は、大会2日前のプロアマ戦を急きょ体調不良のため欠場して話題になったが、休養たっぷりで不安材料なく試合に臨めるのは大きい。
■大会名、スポンサーが頻繁に変わり、会場変更も
今年から51年間続いたカリフォルニア州ミッションヒルズCCから、会場がテキサス州ザ・クラブ・アット・カールストン・ウッズJ・ニクラスシグネチャーCに変わる。大会名も昨年から変わった。
これまで「ダイナショア」「ナビスコ」「ANA」と大会名は7回も変わり、メジャー昇格は1983年と歴史が浅い。
男子メジャーは「マスターズ」(1934年~)、「全米プロ」(1916年~)、「全米オープン」(1895年~)、「全英オープン」(1860年~)の年4大会で、毎年トッププロの白熱した試合が繰り広げられ、伝統がある。
それに対して女子は、「全米女子オープン」(1946年~)、「全米女子プロ」(1955年~)に「AIG全英女子オープン」(2001年~)、「エビアン選手権」(2013年~)も加わり、男子より多い年5大会だ。
「メジャーだから4大会というこだわりはないようです。女子も米国の地上波で中継され、通常大会より注目される。米女子ゴルフは男子大会に比べて人気が格段に落ち、メジャーという箔をつけて全米中の関心を集めたいという目的があります。それにエビアンは10年前にメジャーに昇格したばかりですが、賞金額が高く、通常大会のままではつり合いが取れない、という理由からです。
渋野が勝った全英女子オープンも、かつてメジャーのデュモーリエクラシックが00年で終了したため、その代わりに翌年からメジャーに昇格したのです。女子ゴルフの世界最高峰ツアーであることをアピールするために、世界各国でメジャー大会を開催するほうが、LPGAツアーにとってカネ集めにも都合がいいようです。ただ、スポンサー企業が頻繁に変わるのは男子大会並みに視聴率が取れず、うまみが少ないからでしょう」(ゴルフライター・吉川英三郎氏)
メジャーと聞けば、華やかな大会を連想するが、男子大会に比べるとギャラリー数は少なく、人気もなかなか上がらず、メジャー運営の内情はかなり厳しいようだ。