大谷翔平オフのFAに重大影響…老舗名門Rソックス監督が看破した「二刀流の弊害」
大エースと同等かそれ以上の成績が求められる
打って投げて、人の2倍働く大谷には中5日が必要だし、体調次第で不規則にならざるを得ないが、メッツ、ドジャース、ヤンキース……米メディアがオフに大谷獲得に乗り出すと報じている金満球団には、必ずと言っていいくらいメジャーを代表する大エースがいる。
メッツのシャーザー(38)とバーランダー(40)、ドジャースのカーショー(35)の3人は、いずれもサイ・ヤング賞を3度獲得。ヤンキースのコール(32)は、最多奪三振2回、最多勝と最優秀防御率1回の剛腕だ。彼らにしてみれば中4日は当然。これまでずっと、その登板間隔に合わせてコンディションを整え、調整をし、投げ続けてきた。
投手として大谷以上の実績を残している彼らが、大谷が入ったからといって中4日を中5日にしたり、ローテを変則にすることをよしとするとは思えない。つまり仮に大谷が前出のような金満球団に移籍した場合、指揮官のマネジメントはエンゼルス以上に難しいものになるということだ。
米紙コラムニストのビリー・デービス氏がこう言う。
「例えばシャーザーやバーランダーはサイ・ヤング賞投票による出来高払い契約を結んでいる。サイ・ヤング賞はそれなりの投球回数をこなすことが必要ですし、カネより何よりプライドの問題は大きいですよ。彼らは投打でトップクラスの成績を残す大谷の実力は認めても、大谷が投手として一流の成績を残すようになったのは昨年からです。その大谷が同僚になったからといって、これまでの中4日を中5日にしたり、ローテが変則になるなんて冗談じゃないと思っているはずですからね」
大谷は23日現在、5試合に先発して3勝0敗、打たれた安打は計8、本塁打は0、わずか2点しか取られていない。防御率0.64は、規定投球回に達しているメジャー投手の中でナンバーワンだ。
「実績あるベテラン投手を納得させるには、大谷が投手として彼らと同等か、彼ら以上の成績を残して、大谷がチームに来るんじゃ仕方がないと思わせる以外にない。そうすれば、大エースのいる金満球団への移籍も可能だし、指揮官の気苦労も軽減されるんじゃないか」とは前出のデービス氏。
オフのFAを控える大谷にとっては、いまのペースでシーズン最後まで投げ続けることが重要というのだ。