高校生投手の評価「進学」と「プロ入り」の分岐点とは…通用する要素が一つでもあるか

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「プロのスカウトたちがよく、進学した方がいいってコメントを出しますよね。かつての松坂や田中マー君くらいの実力があればともかく、高校生は基本的に育成含みで獲得するんでしょ? なのに進学を勧めるってことは、箸にも棒にもかからないってことなんでしょうか?」

 最近のことだ。オレが担当する地区の県立高校の野球部監督からこう聞かれた。まだ甲子園に出たこともないフツーの進学校だが、今年の3年生にたまたまプロが注目する右腕がいる。すでに始まっている地方大会にもスカウトが何人も視察に来て、その中のひとりがスポーツ紙に進学を勧めるコメントを出したらしい。

 ストレートの平均球速は143~144キロで、変化球もまあまあ。素質はあるように思うし、むげにもできない。監督にはとりあえず、「素材はいいってことですよ」と答えたものの、進学かプロかの分岐点がどこかと聞かれると具体的に説明できない。仕方なく部長に相談すると、こう言った。

「ストレートの平均球速が147~148キロ、飛び抜けた変化球、狙ったところに確実に投げられるコントロール、非の打ちどころのない投球フォーム……プロで通用する投手の条件だが、このうち、ひとつでも備えていれば、他も良くなる可能性がある。けれども、すべて平均点では、どれもプロで通用するレベルに達しないかもしれない。なので4年後の変化を見てからでも遅くないと思う」

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