高校生投手の評価「進学」と「プロ入り」の分岐点とは…通用する要素が一つでもあるか
だとすればくだんの高校生右腕は「進学」がベストかもしれないが、仮に条件を満たしても、中には例外もいるという。部長がこう続ける。
「昔、オレが担当した左腕がいてな。甲子園に縁のない学校の投手で、高校を卒業したら父親がやっていた家業の商売を継ぐつもりだった。プロはもちろん、大学や社会人で野球を続けるつもりはまったくなかった。ところが、2年生の冬を越して体が劇的に変わり、球速もアップ。プロで通用するだけの速球を投げるようになった。オレは左腕ということもあって評価、ドラフトで獲得したものの、いいところまではいくのに頭打ち。そもそも家業を継ぐと考えていたせいか、ここぞというところで淡白というか頑張れない。野球選手として生きていくという気概がないんだな。結局4、5年でクビさ」
その選手の置かれた環境やスタンスも重要というのだ。
(プロ野球覆面スカウト)