9月場所を牽引した熱海富士 急成長の秘訣と気になる土俵での“問題行動”
9月場所を引っ張った最大の功労者と言っても過言ではない。
賜杯こそ逃したものの、11勝4敗で敢闘賞を受賞した熱海富士(21)。11日目まで1敗をキープし、千秋楽も単独トップの3敗。朝乃山に負けたことで4敗に後退し、ここでようやく追いついた大関貴景勝との優勝決定戦に敗れ、涙をのんだ。
角界でも「将来は大関か横綱か」と言われる逸材。相撲強豪校の飛龍高(静岡)では1年時からレギュラーを張り、高卒で伊勢ケ浜部屋に入門した。
タニマチ筋が言う。
「千秋楽でもお母さんと妹が中継に映っていましたが、母子家庭のため、『親に楽をさせてやりたい』と高卒でプロ入り。妹も熱海富士と同じ飛龍高の女子相撲部に所属し、現在は主将だとか。性格は明るく素直。最近の子にありがちな理屈っぽいところがなく、師匠の教えや兄弟子の横綱・照ノ富士らのアドバイスを素直に吸収している」
3年前の2020年11月場所で前相撲デビューすると、22年11月場所で初めて幕内に名を連ねた。所要12場所での新入幕は歴代8位タイのスピード出世だ。