「残るもんだと思っていた」中田翔が激白 巨人電撃退団の理由と中日入りへの決意
中田翔(中日・内野手・34歳)
「立浪監督から、一緒にやりたい、力を貸してくれへんか、と電話をいただいた。これでイチから勝負できると」
中田翔は昨オフ、巨人と2年契約を残して自由契約を選択。中日移籍を決断した。2021年途中に日本ハムからのトレードで巨人に加入。22年には109試合で打率.269、24本塁打、68打点と結果を残したものの、昨季後半から代打での出場が多くなり、92試合で打率.255、15本塁打、37打点にとどまった。立浪和義監督の熱心な誘いで名古屋を新天地に選んだ大砲を、第2クール最終日の8日に直撃。移籍の経緯を含めて洗いざらい聞いた。
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■「代打は別のスポーツ(笑)」
──巨人と2年契約を残して退団した。阿部慎之助監督が就任直後の10月下旬に、「岡本一塁、坂本三塁、遊撃門脇」の構想を明らかにした影響はやっぱり大きかった?
「そうですね。(岡本)和真を一塁に固定するというのを報道陣から聞いたりニュースを見たりしてからですね、真剣に考え出したのは。早い段階で(構想が)決まったので、それはもちろん、仕方がないことではありますけど、それまではジャイアンツに残るものだと思っていましたから。読売巨人軍、ファンの方、チームメートも素晴らしい人たちばっかりだったので、本当に最後の最後まで悩みました」
──オファーは何球団くらい来ましたか?
「3~4球団ですかね。交渉は代理人の方にお願いしていました」
──その中で、立浪監督からは直接電話があった。
「シンプルに、『一緒にやりたい、力貸してくれへんか』と。根本的な気持ちとして、これでもう一回、スタートラインに立てることがうれしかった。またイチから勝負できると思ったし、そこからは決断するまで時間がかからなかったですね」
──日本ハム時代から中軸としてスタメンで4打席立ってきたが、昨季は後半から代打での出場が増えた。
「打ってナンボの世界なんでね、まあ、仕方ないと言えば仕方ないですけど、まあ、相当悔しかったですね」
──1打席勝負となると、狙い球を絞るなど、いろいろ考えた上で打席に入る必要がある。
「代打は別のスポーツですね(笑)。凄く難しいし、それで結果を残している人たちは、本当にリスペクトです。もちろん相手ピッチャーによって対応は変わりますけど、狙い球を絞って打席に立つときもありますし、来たとこ勝負っていう気持ちで行くときもありますし、うん。やっぱり代打は難しかったですねぇ……。初球から打ちに行っていい場面なのか、ダメな場面なのかを考えないといけない。正直、スタメンだったら、初球から打てるボールが来たら自分のスイングを心がけて打ちに行く、っていうシンプルな考えで打席に立てますけど、代打っていうのは1日でその1打席しかないですから。もちろん、打ったら打ったで喜びも倍増なんかもしれないですけど、打てない確率の方が高いですからね」