打者では「高め速球を克服」、投手では「魔球を習得」…際限なく進化し続けられるワケ
メジャーでは7年くらい前からゴロよりフライを打ち上げる「フライボール革命」が席巻している。
打球速度158キロ以上、打球角度26~30度で上がった打球が安打や本塁打の確率が上がるといわれ、打者は競うようにしてアッパースイングに取り組んだ。大谷のバットスイングもどちらかといえばアッパー気味だ。
打者が新たなステージに突入すれば、投手は対策を講じる。これはもうイタチゴッコのようなもので、フライボール革命に有効とされたのが高めの速球と、タテに大きく割れるカーブだった。
大谷はこれまで、他のパワーヒッター同様、高めの速い球に手を焼いていた。本塁打を量産する打者の泣きどころなのだが、昨季のある時期を境に高め速球を克服した。
昨年末のNHKのインタビューによれば、技術的なきっかけをつかんだのは5月30日のホワイトソックス戦。その試合で1本、翌日の試合は2本、高めの球を本塁打にした。大谷はインタビューでこう言っている。
「ひらめきというか、何個も何個も試していって“これだ”となることがたまにあるので」